約二十年前、大手大型量販店が街の郊外に進出しました。多くの古くからの商店も量販店の中に新しい店を出して商店街から出て行き、長浜の街の中からお客様と活気がなくなってしまっていました。
昭和六十三年七月 近江長浜北国街道周辺の昔からの街を心からこよなく親しみ愛する寿司、菓子、旅館、麺類店などの飲み食い処の大将が、街の活況発展を願って強く手をつなぎ、お客様が再び街に満ち溢れるよう絵図と店先の共通した「北国街道うまいもん処」の看板づくりからはじまりました。古きよき時代の長浜北国街道の活気ある街を再現すべく、各店舗の店主たちは自分たちの手で、旧市街地に長浜のほんまもんの楽市楽座「御朱印地」をつくりたかったのです。
盆梅展会場、旧長浜駅、大通寺、黒壁を結ぶ一帯に多くの観光のお客様が来ていただけるよう、又、地元のお客様も再び来ていただけるよう自慢の街、長浜と本当の名物、名店を子孫に残せるように願いを込めて、同年十月四日「北国街道うまいもん処うだつ会」が成立しました。当時黒壁を中心とする博物館都市構想はまだその計画が始まったばかりでした。
平成十五年現在、市民運動の結果、北陸本線が長浜まで直流化され新快速電車が京阪神から直接伸びるようになったことと、町衆主体の観光文化都市への発展により、長浜に来られるお客様も年々増えてきております。
うだつ会の会員店舗は三十五件となり、どの店も昔からの味や文化伝統を大切にしているお店ばかりです。またそんなうだつ会の会員店舗の大将や従業員は長浜曳山祭りで活躍していて一生懸命な人間が多くいます。祭りの間中、大将が何日間も店にいないのでお客様からお叱りを受けた店舗もあります。こよなく長浜の街と町衆を愛しているのです。
もうけだけにとらわれることなく、お客様に心から喜ばれるうまいもんを追求する、ある意味がんこで不器用な小さな昔からの店舗がおおいです。町おこしの行事や長浜の街に貢献する諸活動、勉強会などもおこなっています。うだつ会はその方針として長浜の「自然」「人」「歴史」を大切にして、それに根づいた郷土料理や名物名産の創造に日々努めています。
このホームページはうだつ会十五周年を記念して作られました。一人でも多くの方々にうだつ会と長浜北国街道について知っていただければ光栄です。